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ふたつの輪を重ねたデザイン「ダブルループ」に込めた想いとは。

June 19, 2019

4℃の定番モチーフ「ダブルループ」。ふたつの輪を重ねた繊細なデザインでありながら、上品にもカジュアルにも着けられるボリューム感で20代〜50代と幅広い年齢の方から長年愛され続けています。大切な人への贈り物として誕生した「ダブルループ」に込められた想いを取材してきました。

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今回は、4℃に原型師として入社した後に2018年に開所した横浜アトリエにて生産技術課長をしている相原さんと、新卒で入社されてから4℃のジュエリーデザインを担当しているデザイナーの木田さんにお話しを聞きました。

職人の手作業とデザイナーの想い。長く大切にされるジュエリーをつくりたい

ーまずはお二人の経歴を教えてください。

(木田)私は武蔵野美術大学の視覚伝達学科に在籍してグラフィックを中心に学んでいたのですが、授業や自主制作で積み木など小さなものをデザインすることがありました。その経験がきっかけとなって、小さくても持ち主にずっと大切にしてもらえるジュエリーをデザインしたいと思い、ジュエリーデザイナーとして4℃へ就職することを決めました。

今はジュエリーのデザインがメインですが、ノベルティーやパッケージのデザインもしています。

(相原)僕は元々は原型師をしていたのですが、今は横浜アトリエで原型をつくる部門と修理をする部門の管理をしています。

ー「原型師」とは聞き慣れない職業ですが、具体的に何をするお仕事なのですか?

(相原)シンプルにいうとデザインされたジュエリーを形にする仕事です。
ジュエリーを製造する時はまず鋳型の工程があるのですが、その元になる一つの原型を造るのが原型師です。

僕が4℃に入社した当時は、紙に書かれたデザインを元に、銀の板をのこぎりで切って、ヤスリで削って、曲げたりくっつけたりして立体にする工程を全て手作業でやっていました。

現在はCAD(キャド)や3Dプリンターが普及したのでデザインを立体化するスピードが以前より格段に上がりましたし、立体になったデザインを見て制作方法の検討や、デザイナーとの確認が早い段階でできるようになりましたが、今でも銀の原型を仕上げていく作業は職人が手作業で行っています。

銀で作った原型をヤスリで整える緻密な作業。手先を見つめる職人の眼差しからは緊張感が伝わってきます。横浜のアトリエには、原型を作る為の道具とジュエリーを修理する為の道具が数多くありました。

ーデザイナーさんが考案したデザインが、本当に製品として成立するのかは大切なポイントですよね。その判断は誰がするのですか?

(相原)デザイナーが考えたデザインを実際に形にすることができるのかは、デザインの耐久性なども含めて関係部署で都度検討します。

4℃が大切にしている上品さや華奢さを表現しつつも、長く使っていただくために壊れにくい構造にする工夫もしています。

新しいジュエリーができるまで

相原さんが働く横浜アトリエの様子。職人さんたちが黙々と作業をしていました。

ーCADや3Dプリンターなどデジタル化が進んで制作のスピードがあがったということですが、新商品が発売されるまでには何名のスタッフが関わって、どのくらいの期間がかかるものなのですか?

(相原)そうですね、もちろん商品にもよりますが、企画から店頭に並ぶまで6ヶ月から7ヶ月くらいかかります。

MD(商品企画)、デザイナー、生産管理、技術制作からそれぞれ1名〜2名ずつ選出してチームを構成し、そのチームでサンプルを完成させます。その後は、信頼のおける提携工場に発注をかけてお客様にお届けするジュエリーを製造してもらっています。

ー10名くらいということですか?

(相原)いえいえ、資材調達や発注業務、提携工場から商品が納品された後に、自社の品質管理センターで検品作業をしているのでもっと多くの人が関わっていますよ。企画規模にもよりますが店頭に出荷されるまでにざっと60名〜70名の人が関わっていますね。

ダイヤがついている商品はダイヤが本物かどうか一粒一粒検品していますし、地金が18金なのかチェックするためにX線で検査をしています。

この検品は、時間も人の手も惜しみなくかけて行う4℃の「生命線」ともいえます。
厳しい基準の検品をクリアした商品のみに施される4℃の刻印は、私たちブランドのこだわりであり、誇りです。

贈る人の気持ちをたくす、ダブルループに込めた想いとは

ーそんなに多くの時間と人が費やされているのですね。
商品誕生のスタート地点でもある商品デザインには、ご自分の感性が創り出したものが世に出る喜びと緊張の両方があるかと思いますが、デザインする際に大切にしていることを教えてください。

(木田)私はいつも、手に取る人の顔を浮かべる事を大切にしています。

特に20代から30代に向けた商品を担当することが多いので、ターゲットが着る洋服、よく行くお店や好きなことを考えてデザインしています。

自分のために買うものか、誰かに贈るものかでも制作するデザインは変わりますが、いずれにせよ多くの人の手にとってもらえる商品にしたいなと思っています。

ー「ダブルループ」はまさに4℃の定番人気アイテムですよね。デザインにはどんな意味が込められていますか?

(木田)ジュエリーは贈る側の気持ちをこめることが重要だと考えています。

「ダブルループ」はふたつの輪を組みあわせたデザインで、それぞれが贈る側と贈る相手を表していて、二つの輪がくっついて離れない永遠の絆を表現しているのです。

ーデザインの意味を知ると、大切にしたいなという気持ちになりますね。

(木田)2つのリングのうち片方のリングはその周りにダイヤをあしらっているので、どの角度から見ても輝きがあり、角度によって輝き方が違うのが特徴です。贈られた人はもちろん、贈った人もその輝きのバリエーションも楽しんでいただけるようにデザインしています。

ーとても繊細な二つの輪、製作時に苦労したこともあったのではないでしょうか?

(相原)そうですね。ダブルループは組合わせた輪が自由に動いて表情が変わるのが人気の商品なのですが、輪の内側に刻印を入れる工程がすごく大変でした。

実はこの商品は輪っかを1度割ってから刻印を入れているのですが、その後元に戻す時に綺麗な丸にならなかったり、2つの輪っか同士が当たって傷ついてしまったり。ですから、製造の過程では細心の注意が必要でした。

ダブルループのように製造の難易度が高いデザインは多いのですが、アトリエのスタッフ同士でコミュニケーションを取り合って模索しながら、日々最良の製造工程を編み出しています。

ーなるほど、まさにデザイナーの想いと職人の技術が集結した作品と言えますね。
ギフトにも自分へのご褒美にも最適なダブルループですが、どんな方に着けて欲しいと思いますか?

(木田)年齢に関係なく、沢山の方に使っていただきたいです。

実際に、ダブルループはバリエーション豊富な地金で制作していて手に取りやすい価格帯から18金プラチナのリッチな価格帯まであるため、20代前半から40代・50代まで幅広い年代の方に選んでいただいています。

お誕生日はもちろん、結婚記念日にもおすすめしたいですし、お仕事の節目に自分へのご褒美としても選んでいただければなと思います。

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